年金をもらった人は基本的に確定申告の必要があり、雑所得として申告することになります。年金には「公的年金等」と「個人年金」の2種類があります。
「公的年金」とは、国民年金、厚生年金など社会保険制度に基づく年金、恩給や適格退職年金契約に基づく年金などをいい、「個人年金」とは生命保険契約に基づく年金や郵便年金により支払いを受ける年金をいいます。
これら公的年金や、個人年金による収入は、「雑所得」として区分され、年金収入に応じて一定の計算方法により「所得金額」を計算します。
いずれの年金についても、年金額が一定以上の場合には、その支払いの際に所得税が源泉徴収されていますので、確定申告書第二表の「所得の内訳(源泉徴収税額)」欄に、この源泉徴収された所得税を記入して、納付税額から差し引くのを忘れないように注意しましょう。
今回のケースに当てはまる人
老齢基礎年金、老齢厚生年金などの公的年金を受け取った人 |
生命保険会社など生命保険契約により個人年金を受け取った人 |
提出する書類・準備する書類
申告書 | 確定申告書 |
明細書・内訳書 | 医療費の明細書など (医療費控除を受ける際には申告書とともに添付し提出します) |
添付書類 | 公的年金の源泉徴収票 生命保険料の控除証明書(控除を受ける場合) 地震保険料の控除証明書(控除を受ける場合) |
各年金の計算方法
公的年金等と個人年金とでは、計算方法が違うため注意が必要です。
【公的年金等の所得金額の計算方法】
公的年金等を受け取っている場合は、「公的年金等の収入金額」から「公的年金等控除額」を差し引いて所得金額を計算します。
【個人年金の所得金額の計算方法】
個人年金を受け取っている場合は、「個人年金の収入金額」から「必要経費」を差し引いて計算します。なお必要経費は「その年に受給した年金額(個人年金の収入金額)× 支払保険料の総額 / 年金の受給総額」で計算できます。
いずれも保険会社から郵送される「支払調書」に記載されていますので、支払調書の金額を転記してください。
公的年金等の源泉徴収税額
「公的年金等」と「個人年金」からは、いずれも所得税が源泉徴収されている場合があります。「公的年金等の源泉徴収票」または「支払調書」に、源泉所得税の金額が記載されていたら、納付税額から差し引きます。
また日本年金機構等から送られてくる「公的年金等の源泉徴収票」は「公的年金等」の申告をする場合に、確定申告書に添付が必要になります。
非課税の公的年金等
公的年金等はすべて申告しなければならないわけではありません。遺族年金、母子年金、障害年金を受けとっている人については、所得税は非課税となりますので、確定申告する必要がありません。
申告不要の公的年金等
公的年金等を受け取っている場合で、その年中の公的年金等の収入金額が400万円以下で、かつ、その年において公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下である場合には、確定申告をする必要はありません。
なお、これらの年金等について確定申告をすると、住民税の申告をする必要がありません。