適格請求書を発行する側ばかりをお伝えしてきましたが、原則的な方式の一般課税方式で消費税の申告納税をする場合は、相手から受け取る請求書やレシートなども逆の立場で適格請求書として正しいかどうかのチェックが必要です。
フリーランス:「うちが発行する適格請求書のことばかり気にしていたけど、相手から受け取る請求書やレシートも適格請求書の要件を満たしているか確認しないといけないですね」
税理士:「そうです。簡易課税制度を選択していれば、その点は気にしなくても大丈夫ですが、原則的な計算方法で消費税の申告納税を行うのであれば、前回お伝えした、仕入税額控除を受けられなくなってしまいます。そうなるとご自身の税負担も増えることになります。」
フリーランス:「口約束やメールのやり取りだけではダメということですね。」
税理士:「そうですね。適格請求書の要件を満たしていないので、その消費税部分は仕入税額控除が受けられなくなります。相手から受取ったらすぐに内容が正しいか確認しましょう。」
フリーランス:「内容が正しいって何を確認したらいいですか?」
税理士:「まずは、適格請求書発行事業者の登録番号が記載されているか?その番号が本当に登録されたものか?国税庁の公表サイトで確認できます」
フリーランス:「なるほど。他には何かありますか?」
税理士:「請求書ですので、請求される金額や消費税の記載方法、日付や相手の名前等です」
フリーランス:「もし何か間違っていたら、どうしたらいいですか?」
税理士:「インボイス制度では、受取った側で勝手に追加記入したり修正することが禁止されています。」
フリーランス:「え~そうなの?じゃあ、どうしたらいいですか?」
税理士:「相手先にすぐに連絡して、修正が必要な点を伝え、正しくなったものを再発行してもらうしかないですね。」
フリーランス:「これからは、管理が大変ですね。」
請求書やレシートを受取ったら、適格請求書の要件を満たしているかを確認する。もし要件が満たしていなかったら、その消費税分だけ税負担が増えることを認識しておきましょう。また、その内容に誤りがあった場合は、相手に再発行をしてもらいましょう。
仕入税額控除を受けるため、まずは適格請求書をチェック
原則的な計算方法で消費税の申告納税を予定しているフリーランスの方は、これからは支払の際に相手から受け取る請求書やレシートが、インボイス制度に適したものになっているか毎回確認する必要があります。
・T+13桁の番号が、記載されているか?
・記載されている番号が正しいものかどうか?
継続的な取引先であれば国税庁の公表サイトで1度確認すれば、その後は大丈夫ですが、初めての取引先や一回限りの取引先の番号も国税庁の公表サイトで確認しなければなりません。
インボイス制度が始まる前に既に、継続取引先には、適格請求書発行事業者の登録申請をされたかどうか?T+13桁の番号もお願いしたいというお手紙を出されている企業も多いです。原則的な計算方法で消費税の申告納税をされるのであれば今の内に確認して管理しておくのも良いでしょう。
また適格請求書の内容に誤りがあった場合の受け取り側での追加・修正・削除は禁止されています。必ず相手先へ連絡して正しい適格請求書を再発行していただき、その再発行した適格請求書を双方で保管
するようにしましょう。
まとめ
「適格請求書」は、内容が正しいかどうかの確認が必ず必要です。また必要な修正事項は、相手側に依頼をし、受取り側での追加・修正は禁止であるため、相手に再発行をお願いし、届いたら再発行のものを保存するようにしましょう。