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8-2.消費税の計算方法(本則課税方式)


消費税を計算して納税額を出すためには、どんな計算方法があるのでしょうか?実は2つの計算方法がありますので、それぞれ見ていきましょう。


フリーランス:「これからは、毎年消費税を納めていくことになるって何だか不安。いくら納付することになるのかしら?」

税理士:「お客さんから受取った消費税を全て納付するわけではありません。実際には納税額を計算していくのですが、その計算方法が2つあります」

フリーランス:「計算方法が2つあるんですか?それは誰でも選べるのですか?」

税理士:「基準を満たしていれば、誰でも選択できます」

フリーランス:「そしたら消費税が少ない方を選んだ方がお得ですよね?」

税理士:「そうです。消費税が少ない計算方法選ぶことができればお得です」

フリーランス:「それはいいですね。毎年少ない方を選べばいいですね」

税理士:「それはできません。ある一つを選ぶと2年間は変更できないので」

フリーランス:「2年間を見越してお得かを選ぶ必要がありますね」



原則的な計算方法(本則課税方式)


消費税を実際に計算する際に、原則的な計算方法を本則課税方式と呼んでいますが、この計算方法は、第1章の図1で説明した通り、1年間で受け取った消費税の合計から1年間で支払った消費税の合計を差し引いた残りの金額が納税する消費税の額になります。


フリーランス:「原則的な計算方法を選ぶ場合は、何か手続きが必要ですか?」

税理士:「適格請求書発行事業者の登録申請書」を提出していれば課税事業者となり、何も手続きをしなければ自動的に原則的な計算方法を選んだことになるので大丈夫です。」

フリーランス:「今回から初めて消費税を納税するのでいくらになるか不安です」

税理士:「基本的に翌年の3月に消費税を納税しますので、それまでに納税資金を準備していた方が良いですね。」

フリーランス:「3月は確定申告で所得税を払うだけじゃなくて、消費税も支払うことになるからお金を残しておかなくちゃね。」

税理士:「そうですね。計画的にお金を残しておく必要がありますね。」



原則的な計算方法は、消費税の集計で差額を納付


本則課税方式 受け取った消費税―支払った消費税=納税額

となります。


実際に事例で計算してみます。年間の売上が消費税込みで660万円、年間の諸経費が税込みで220万円(通信費・事務用品・消耗品費等)と仮定します。(この場合、分かりやすくするため、全て消費税の税額控除対象の課税事業者で、消費税の非課税や不課税項目が無いとします)

消費税の計算 

年間で受取った消費税 60万円

年間で支払った消費税 20万円 

差引き納付消費税額  40万円

原則的な計算方法を選択した場合、上記の事例では40万円を消費税として納めることになります。



支払った消費税に注意



売上にかかる消費税は分かりやすいですが、仕入れや諸経費にかかる消費税は、注意が必要です。

売上にかかる消費税は、フリーランスの皆さんが相手に請求する部分ですので、受け取った消費税の金額を集計するのは大変かもしれませんが、分かりやすいと思います。

それに対して支払った消費税は、相手先によってその消費税の扱いが異なるからです。

第1章で解説したように、支払った先の事業者(企業やフリーランス等の個人事業主)がインボイス発行事業者であれば、その消費税を100%、支払った消費税として控除することができますが、もし免税事業者の場合は、原則控除ができません。それを相手からの請求書や領収書で確認することになります。具体的には、相手の請求書に適格請求書発行事業者の番号が記載されているかどうかです。もし記載が無ければ、相手は免税事業者ですので、その際に支払った金額の消費税部は控除ができないため、上記で計算した金額も変わってくることになります。

例えば、毎月免税事業者のWEBデザイナーさんにホームページ更新料を11,000円支払っていた場合、12カ月で132,000円を支払うことになりますが、このうち消費税として年間12,000円を支払ったことになります。先ほどの事例で諸経費にかかる支払った消費税を200,000円としていますが、この免税事業者へ支払った消費税の年間合計12,000円は含めてはいけないことになるので、下記の通り納税額が増えることになりますし、また集計も少し煩雑な作業となります。



消費税の計算 (免税事業者への消費税の支払いが会った場合)

年間で受取った消費税 600,000円

年間で支払った消費税 188,000円 (200,000円―免税事業者の消費税部分12,000円)

差引き納付消費税額  412,000円



また、第3章で解説したようにこの部分については、経過措置が認められているので、インボイス制度が始まった当初3年間とその後の3年間でも処理が異なります。


消費税の計算 (免税事業者への消費税の支払いが会った場合)


【経過措置を活用した場合(80%)】

年間で受取った消費税 600,000円

年間で支払った消費税 197,600円 

差引き納付消費税額  402,400円

※支払った消費税200,000円―免税事業者の消費税部分2,400円(12,000円×20%)


【経過措置を活用した場合(50%)】

年間で受取った消費税 600,000円

年間で支払った消費税 194,000円 

差引き納付消費税額  406,000円

※支払った消費税200,000円―免税事業者の消費税部分6,000円(12,000円×50%)

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