「インボイス」や「消費税」を理解するために専門用語の理解は避けて通れません。
本書の中で繰り返し出てくる用語についてまとめておきます。
消費税
消費税とは、日本国内でモノやサービスの購入といった消費取引に課される税金のことです。
軽減税率
軽減税率とは、標準税率10%(国税7.8%、地方税2.2%)に対して低い税率8%(国税6.24%、地方税1.76%)設定のことで、対象となるのは、「酒類及び外食を除く飲食料品」と「新聞の定期購読料」です。
標準税率
標準税率とは、軽減税率の対象とならないモノやサービスの消費取引に課される税率のことで、標準税率は10%(国税7.8%、地方税2.2%)が適用されています。
消費者
消費者とは、モノやサービスの消費取引を行った際に、消費税を負担する人のことです。
事業者
事業者とは、消費税を申告し納税する人のことです。
インボイス
インボイスとは、正式には「適格請求書」といって、国が定めたルールに適格な請求書の形式のことです。
インボイス制度
インボイス制度とは、正式には「適格請求書発等保存方式」といって、これまでの「帳簿方式」から変更して行う新しい制度のことです。
適格請求書発行事業者
適格請求書発行事業者とは、インボイス登録センターへ「適格請求書発行事業者の登録申請書」を提出して適格請求書発行事業者になった消費税を納める課税事業者のことです。
登録番号
登録番号とは、インボイス登録センターへ「適格請求書発行事業者の登録申請」を届け出ると国から発行されるT+13桁の番号のことです。
インボイス登録センター
インボイス登録センターとは、インボイス制度のために国税局が設置したセンターで、インボイス制度に関する申請書の対応などを行う場所です、全国に12か所のインボイス登録センターがあります。
簡易インボイス
簡易インボイスとは、インボイス(適格請求書)の様式を簡易にしたもののことです。受け取る相手の名称を省略でき、消費税の部分も「適用税率」と「税率ごとに区分した消費税額等」のいずれかの記載のみで済みます。
売り手
売り手とは、インボイス(適格請求書)を発行する事業者のことです。
買い手
買い手とは、インボイス(適格請求書)を受取る事業者のことです。
課税事業者
課税事業者とは、消費税を納める義務がある事業者のことです。
免税事業者
免税事業者とは、消費税を納める義務を免除されている事業者のことです。
課税期間
課税期間とは、消費税の納付額を計算する際の期間のことです。フリーランス等の個人事業主は暦で1月1日から12月31日までとなります。
課税売上高
課税売上高とは、消費税の課税対象となる売上高で、事業を行っているとほとんどの取引が課税売上にあたります。
課税仕入
課税仕入とは、消費税の課税対象となる仕入で、言葉では「仕入」と言っているためモノの仕入だけと誤解されるかもしれないが、サービスや諸経費の支払い等で課税対象となる取引を言います。
基準期間
基準期間とは、消費税の納税義務の有無の判断をする期間のことで、フリーランス等の個人事業主は、原則2年前の課税期間となります。簡易課税制度の適用の判断においても必要となる期間です。
原則課税
原則課税(一般課税)とは、原則的な消費税の納付税額の計算方式のことで、売上の消費税額の集計額から仕入れや諸経費の消費税額の集計額を控除して計算する方法です。
簡易課税制度
簡易課税制度とは、原則的な消費税の計算方法よりも簡便にできる制度のことで、売り上げに係る消費税額だけをベースに納税額を計算する方法です。
仕入税額控除
仕入税額控除とは、消費税の納税額を計算する際に行う控除のことです。消費税の納税額の計算は、課税売上にかかる消費税額から課税仕入にかかる消費税額を控除することによって計算されます。
みなし仕入
みなし仕入れとは、簡易課税制度を選択した場合に、自身が行う事業の種類によって国が定めた率のことです。
中間納付
中間納付とは、課税期間の1年前の消費税額(国税)が48万円を超えた場合に、事前に納付をすることです。
端数処理
端数処理とは、消費税の計算を行う上で小数点以下の端数について四捨五入、切り捨て、切り上げを自由に選択できる処理のことです。
2割特例
2割特例とは、令和5年の税制改正により3年間だけ認められる消費税の納税の特例で、売上の消費税額の最大2割までの納付で良いとする特例のことです。
少額特例
少額特例とは、1万円未満の課税仕入れについてインボイスの保存義務が免除される特例のことです。基準期間における課税売上が1億円以下の事業者について6年間だけ認められます。
電子帳簿保存法
電子帳簿保存法とは、電子データの保存に関する新しいルールのことで、令和6年1月1日より宥恕期間が終わり本格的に適用されます。
電子インボイス
電子インボイスとは、インボイスを電子データでやり取りを行うことです。各ベンダー会社がそのシステムの開発を進めており、今後適格請求書は電子インボイスによるものが増えると予想されます。
適格返還請求書
適格返還請求書とは、一度お客様に販売された商品の返品などがあって、その対価を返還した場合に、お客様に対して発行する請求書です。返品だけでなく、販売後の値引き、売上割引や販売奨励金等により対価の返還があった場合、相手先には「適格返還請求書」を渡す必要があります。また「適格請求書」と同様に、売り手と買い手の双方で保管義務があります。